Audi、再生可能エネルギーを自ら精製・供給する世界初の自動車メーカーへ

 

Audiがすごいことをやっている。

世界で初めて再生可能エネルギーを自前で精製・供給し、そのエネルギーで動く車の販売を開始するというのだ。

 

水の電気分解により、水素と酸素を精製し、その水素と二酸化炭素を反応させて化学合成メタンガスを精製するというのだ。その名は「e-gas」。

電気分解のときに使用する電力は、風力発電の余剰電力を利用するというから徹底している。結果的に車の走行で排出するCO2と相殺し、ほぼニュートラルだという。

 

この再生可能エネルギーの技術もすごいのだが、自動車メーカーが研究開発から、自前でプラントを建設し、精製、供給までしてしまうところに凄みを感じる。

 

自動車メーカーとしてはある意味大胆に見えるこのようなチャレンジを実現してしまうのには、資金が潤沢なだけでは不十分で、経営者の高い志と明確なビジョンがなければ実現しえなかったはずである。

 

このニュースを見てふと連想したのが、Googleの「Project Loon」だ。成層圏にバルーンを飛ばし、地上のアンテナと上空のバルーン間でネットワークを張り、インターネット回線の構築が困難な地域でも無線で通信できる仕組みを作ろうというものだ。

 

まだインターネットインフラが整っていない地域に、国の政策を待たずして(おそらく)無料でネットワークを提供してしまうのだ。とんでもないプロジェクトだが、発想はシンプルで、Googleの人たちはインターネットが人々を豊かにさせること、世界にいい影響を与えることを知っている。

だから、まだインターネットに接続できない人々がいるのなら、自分たちで構築してしまおうという発想なのだろう。

Googleほど資金が潤沢で何にでもチャレンジできるからこんなことできるんだと思いがちだが、それだけではない。Audiと同じように、高い志と明確なビジョンがこのチャレンジに結び付けているはずだ。

 

Amazonもそうだ。WEB上でものを売る企業にすぎなかったのが、大胆な投資と経営者の志によって、AWSという誰でも簡単に利用できるインフラを作りだした。

 

これまでのように、「メーカー」「卸売業者」「通信業者」などといった枠組みから大きく飛躍し、一企業が革命的なパラダイムシフトをもたらすようになっている。それもすごいスピードで。

 

ITによる情報革命、フラット化していく世界、テクノロジーの進歩、そのいくつもの要因によって、今後企業はどうあるべきか、今あげた3社が示しているような気がする。ないものは自分たちで作り出してしまおう。そんな、純粋な発想で、一部のグローバル企業は成し遂げてしまう。

 

少し常識から離れ、自分の頭の小さな箱庭から抜け出し、知性と高い志をもってすれば、夢のようなことも成し遂げられるのかもしれない。